融資について 起業時に注意することⅡ

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前回からの続きで、法人設立の登記の際に気をつけないと後に融資を受けられなくなるかもしれない、というお話の2回目です。

■資本金

今現在はかつての最低資本金が撤廃されて、資本金1円から株式会社を作ることができます。
でも、1円で果たしていいのか?融資の必要ない企業や資本をあまり必要としない業種の場合は、1円でもいいのかもしれません。
しかしながら、銀行ともお付き合いをして、さらに後に融資を検討する場合、1円では難しい側面も出てくるでしょう。

1円では、ほんの少しの赤字で即、債務超過になります。
そもそも1円では、この企業はどうなの?大丈夫なのか?と思われる可能性もなくはありませんし、ましてや銀行の信用を得ることは難しいでしょう。
どうみても1円でいいことはないと察します。

ではいくらならいいのか?一律の答えがあるわけではありません。
総合的な判断によってその企業にとっての最適な資本金額をアドバイスすることはとても難しいです。

一般的には開業資金と6カ月とか1年分をまかなえるだけの資本金があれば、その期間ぐらいは持つ、と考えられています。
やはり銀行交渉を考える場合、ある程度は用意すべきと考えます。

商法の規定が変わる前は、以前は最低資本金額は株式会社が1000万円、有限会社が300万円となっていました。
取引先にとってもそれだけあれば安心という、1つのハードルとなっていたんですね。
ですので、1つの根拠として、かつての有限会社の最低資本金額だった300万円が1つの基準という考え方もあります。
もちろんそれも一概には言えません。結局は、その事業に見合った自己資本の額、ということになります。

資本金にある程度の余裕があった方が、債務超過になりにくい、ということがあります。
債務超過は先ほどの1円の話でも出ましたが、赤字の額が資本金の額を上回った場合のことなので、例えば資本金が300万あれば赤字の額が300万までなら債務超過にはならない、ということです。
当然ですが、ただの赤字よりも債務超過の方が銀行の見る目は厳しくなります。

あとは、自己資金をどこまで用意できるか、と会社の事業に見合う額がいくらか、ということですね。

■目的

登記事項として、その企業の目的を記載するのですが、まず、この目的に入っている事業をちゃんとやっているか、ということは見られます。
このあたりのチェックは近年厳しくなっています。
ですので、可能性のある事業は入れておかないといけない、ということになります。

ただ、だからといってここにやたらめったら列挙すればいいかというとどうでしょうか。
そのように羅列されているものも見かけます。
もちろん、今後事業内容として展開する可能性もあるものは列挙したらいいのですが、明らかに本業とは関係のないものまで思いつくまでに記載するのはいかがなものかと。
金融機関の立場に立って見てみると、それはどう捉えられるか?ということです。
「いったい何をしようとしているのか?」と誰でも思うでしょう。
また、もしそこに対象不可の業種が書かれていた場合、融資を断る口実にされてしまいます。

例えば、公庫の普通貸付の対象業種は「ほとんどの業種の中小企業の方にご利用いただけます (金融業、投機的事業、一部の遊興娯楽業等の業種の方はご利用になれません)」となっています。
つまり、金融業、投機的事業、一部の遊興娯楽業等の業種は利用できない、と断言されているのです。
これらに該当する事業を登記簿に載せていたら、それだけで断られる可能性があります。

また、そこに許認可が必要な事業が記載されていたら、その許認可がとれているのかということがチェックされています。とれていなければ当然まずい、ということになります。

目的についてはやたら羅列するのではなく、本来の事業内容と今後展開する可能性のある事業内容とに絞るべきと考えます。

次回に続きます。

写真は先日のハードロックカフェ。
変わらず大好きなお店です。