英雄ポロネーズ

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ピアノ発表会、ショパンのこの曲を弾きました。
いつか弾きたいと憧れていた曲でした。

今はただただ、ここまでみてくださった先生に、感謝の気持ちでいっぱいです。

今までいろんなピアニストの方々のこの曲の演奏を聴いてきましたが、ショパンコンクールで反田恭平さんの演奏聴いて、なんて柔らかいんだろうと、こんな柔らかい英雄ポロネーズを聴いたのは初めてだ、と思いました。
ご本人にとっては不本意の演奏だったのかもしれませんが、私はその演奏に心打たれました。
反田さんの演奏を目標に(と言うのもおこがましいのですが)、私も今こそ弾いてみたい、と思いました。

やはり名曲、とても難しかったです。乗り越えられなかった部分もあります。
でも、1年間精一杯頑張ったつもりです。

ただ、最後は緊張との戦いでした。

ライブにソロで出たときもそうでしたが、緊張すると手が震えるのが、いつもネックであり悩みでした。
バンドだと震えないのにソロだと震えました。

今回もいろいろ対処を試みたのですが、その10日ほど前のリハーサルでもやはり手が震えてしまい。

聴いていただくために発表会に出させていただいて、来てくださった方々のためにいい演奏をしようと頑張ってきたのに。
なのに、たくさんの人が聴いてくださっていると緊張して手が震えて弾けない。って。なんでなんだろう。

なんで、いつものようにリラックスして弾けないんだろう。
なんで、頑張ってきたのに、頑張ってきた成果を出すことができないんだろう。
こんなんでは、花を添えるどころか先生に恥をかかせるのではないか。

不安でした。悩みました。

ステージって、何とも言えない孤独を感じるのです。

頭を切り替えて、もう震えるのは仕方ない、緊張は悪いことではない、みんな緊張するんだ、手が震えても弾けるようになるしかない、結局は練習しかない、震えたっていい、決して一人ではない、と思うようにしました。

ボロボロだったリハーサルが、そう前向きに考えるきっかけになりました。
そこからもう10日ぐらいしかありませんでしたが、ラストスパートかけました。
確定申告もまさにラストスパートでしたが、両立がんばりました。

幸い、近所にいくつか、ストリートピアノもあるので、本番の緊張の疑似体験に、つかわせていただきました。

なぜか、ストリートピアノだと緊張しないのですけどね。
周りの方々が何となく耳を傾けてくれて、拍手くださるのがうれしくて。
こんなふうに本番でも弾けたらいいのに。と思いました。

ところがそうするうちに、右腕と右手小指の痛みが強くなって。
ふだんからきちんとケアしてなかったからかもしれませんね。
痛みと折り合いながら、ケアにも気を付けながら、できる限りの練習をしました。

本番は。。
やはりいつもどおりとはいかなかったけれど、やはり緊張はしたけれど。
最初の方で思わぬところで詰まって、やはり手が震えてしまったけれど。
でもそれでも、最小限の緊張に抑えられたのでは、と思います。

弾き続けるにつれて、だんだんに自分を取り戻せて、最後のサビでは自分の世界に入り込めたと思います。

素人の弾く英雄ポロネーズ、ではあったけれど。
途中からは、STEINWAYの音色と響の美しさに心が沸き立って楽しくなって。
緊張とも何とかうまくつきあって、楽しんで弾けたのではないかなと思います。

今は、この曲を最後まで弾ききれた達成感の方が大きいです。
やれる限り精いっぱいやりきった、と言い切れます。

終わった後にいただいた「素敵でした」「よかったよ」の言葉が本当にうれしくて報われた思いになりました。

忘れられない思い出となりました。

そんなたいそうな、みたいな文章になってしまいましたが笑。
でも、私にとってはそれぐらい大きな経験でした。

最初にも書きましたが、ただただ先生に心から感謝しています。
お忙しい中、最後まで粘り強くみてくださった先生のおかげです。

この曲は、弾ききったと思っているので暫くお休みしようと思いますが、ピアノを続けたい気持ちは一層強くなりました。

まずは痛みの残る右手を少しの間休ませます。

次は何を弾こうかなぁと楽しみです。(ほぼ決まってたりもします。)