損をしない資本金の決め方Ⅲ 1億円の分かれ目

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前々回は資本金1,000万円が分かれ目となるケース、前回は資本金3,000万円が分かれ目となるケースについてでした。

今日は資本金1億円を境に変わってくるものについてのお話です。

1億円を超えると基本的に大法人と呼ばれる括りに入ることになり、税金面での扱いも大きく変わってきます。
資本金等が1億円以下の法人は「中小法人」といわれたり「中小企業者」といわれたり、それらに「等」がついたりします。
前者は法人税法の規定によるものであり、後者は租税特別措置法の規定によるものです。
それぞれ範囲が異なってきます。
下記の既定の1つ1つは、そのどちらのくくりで分けられるかそれぞれ異なりますし、これ以外の括りで分けられる規定もあります。

その詳細部分の説明は今日は省きますが、「中小法人」「中小企業者」についての説明およびそれらがどのような規定に適用されるかについてのお話は、また次回以降にいたします。

1.法人税率(区分)

資本金1億円超 : 23.2%
資本金1億円以下(所得金額800万円以下の部分の税率) : 15%

中小企業者(資本金等が1億円以下の法人のうち、大規模法人の子会社等を除く法人)等にはこのように法人税率で大きな優遇があります。

2.交際費等の損金不算入額

資本金1億円超 : 接待飲食費の50%を超える金額
資本金1億円以下 : 交際費等のうち800万円を超える金額か、接待飲食費の50%を超える金額かいずれか

1億円以下の法人が交際費等が800万円を超えるケースは多くないと思われますので、1億円以下の法人はたいていは交際費を全額損金に算入できるということになります。
いずれかを選択適用できるという意味で、資本金1億円超の法人より有利となります。

3.事業税の外形標準課税の適用対象

資本金1億円超※1 : 外形標準課税の対象法人となり、付加価値割、資本割、所得割の3つの区分に応じた税率で課税
資本金1億円以下 : 外形標準課税は適用されず、所得割額に対し課税

※1 公共法人等やみなし課税法人、特別法人、特定目的会社、投資法人、人格のない社団等、一般社団法人及び一般財団法人を除く。

外形標準課税は、課税所得のほか、資本金等、付加価値額といった法人の事業規模を表す値をもとに課税する事業税です。
黒字の企業も赤字の企業も行政サービスを受けている以上、費用を公平に負担すべきだという指摘に対応する形で、2004年に導入されました。
外形標準課税が適用されると、課税所得がなくても事業税がかかることになり、会社にとってそれなりの負担となります。

4.繰越欠損金の控除限度額

資本金1億円超 : 所得の50%
資本金1億円以下 : 制限なし

欠損金とは、わかりやすく言うと赤字の金額です。欠損金の繰越控除とは、その欠損金を、発生した年度の翌年以降10年間繰り越せる、つまりその10年の間に黒字となった年に、そのプラスから繰り越したマイナスを相殺(控除)できる、という制度です。その控除できる限度額が、資本金によって違いがある、ということです。

5.法人住民税均等割(豊中市の場合)

・従業員50人以下の場合

資本金が1,000万円超1億円以下 : 231,000円
法人府民税75,000円 + 法人市民税156,000円

資本金が1億円超10億円以下 : 452,000円
法人府民税260,000円 + 法人市民税192,000円

・従業員50人超の場合

資本金が1,000万円超1億円以下 : 255,000円
法人府民税75,000円 + 法人市民税180,000円

資本金が1億円超10億円以下 : 740,000円
法人府民税260,000円 + 法人市民税480,000円

平成27年度税制改正により、均等割の算定基礎となる資本金等に改正があり、過去に欠損填補を行った法人は欠損填補に使用した額を資本金等の額から控除できることになりました(一定の要件あり)。
これにより均等割が少なくなるケースもあります。

6.特定同族会社に対する留保金課税制度

資本金1億円超 : 適用あり
資本金1億円以下 : 適用なし

一定の利益が生じ、それを配当せずに会社に残した場合、資本金1億円超の特定同族会社は、この留保利益に対して通常の法人税に上乗せされて税金が課税されます。その制度を「留保金課税」と言います。

この留保金課税、平成19年度改正により、資本金1億円以下の法人は適用対象から除外されました。

7.中小企業等投資促進税制の適用

・中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却
・中小企業者等が特定経営力向上設備等を取得した場合の特別償却又は税額控除
・中小企業者等が経営改善設備を取得した場合の特別償却又は税額控除
これらの制度のことを指します。

資本金1億円超 : 適用なし
資本金1億円以下 : 適用あり

主なものは以上です。
1億円が基準となるものは数が多いですね。

音楽活動。

先月末の茨木フェスティバルは台風で中止になりましたが、主催者さんのご厚意で同じ時間に茨木のマリアナカフェで演奏させていただきました。

8月25日に弾き語りで出るライブに向けて、カラオケで猛練習。笑

ホワイトスネイクカバーバンドでの次の日程が決まりました。
わくわくします。練習がんばろう。

昨日は豊中まつりにバンドで出演してきました。
ものすごい賑わい。楽しいお祭りでした。
一緒に連れていった息子も、皆にかわいがってもらって大喜び。

新規の顧問先様の決算がいくつか続いており、総力あげて頑張っております。
相続のご依頼もいただいています。

暑さのせいかハードスケジュールのせいか、体重も体脂肪率も減り続けておりますが、体調はすこぶる良好。
やりがいに満ち充実した日々を過ごしております。

猛暑にも台風にも負けず8月を乗り切りましょう。