法人と個人の違いⅠ 設立・開業方法

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ここ最近で、新規の会社設立のお手伝いを何件か続いてさせていただきました。
それに因みまして、起業する場合の法人と個人の違い、というテーマで何回かに分けてお伝えしたいと思います。

いざ起業となったときに、法人か個人事業かはまず考えることであり迷うことかと存じます。
その違いについて、項目ごとに説明していきます。

■設立・開業方法

個人は開業届を税務署に出すのみ、事業を始めれば事業主となります。
法人の場合は、定款を作成し、認証を受け、法務局での登記、という手続きが必要です。
費用はだいたい20~30万。
自分で手続きされる方も多いですが、司法書士さん等に依頼すればさらにその分の費用も必要となります。

そのあとの、設立届、青色申告の承認申請、源泉税関係の届出、給与支払事務所開設の届出は、基本的に法人も個人も同じ。
これらの届出は税務署へ出します。
法人の場合は、設立届は都道府県と市町村へも出します。

(1)青色申告の承認の申請

所得税にも法人税にも同様の意味合いの青色申告制度があります。
青色申告にはたくさんの特典があり、特に法人の場合は大半が青色ですので、設立とほぼ同時に届け出をすることになります。
ここでは青色申告の詳細は割愛します。

(2)源泉所得税納期の特例の承認に関する申請

お給料や報酬から預かった源泉税は原則として毎月納付しなければなりませんが、従業員の数が10人に満たない場合には半年分まとめて納付できるという特例があります。
その特例の適用を受けるための届出です。
最初は従業員がいても10人には満たないことが多いですので、普通はこれも出しておくことになります。

(3)給与支払事務所等の開設の届出

給与の支払事務の取り扱いを始めたときの届出です。
個人の場合は自分自身に給料を払うということはありませんので、自分ひとりの事業で従業員を雇わない場合はこの給与支払事務所開設の届出は必要ありませんが、法人の場合は、従業員はなしで自分ひとりの会社であったとしても自分自身に給料を支払うことになりますので、この給与支払事務所開設の届出は法人の場合はまず必要になります。

これらはふつうは最初に出す3つの届出です。

(4)地方への設立届出

法人の場合は、このほかに地方への設立届も必要となります。
地方というのは都道府県と市町村です。都道府県は、例えば大阪ならその地域の管轄の府税事務所になります。

税務署への3つの届出と地方への設立届は専門家に頼む場合は税理士に頼むことになります。
税理士の場合はe-taxとel-taxで行うことが今は多いかと思いますが、ご自分でされる場合は紙で出すようになるかと思います。
税務署や役所にも備えつけはありますし、HPからダウンロードすることもできます。

設立の届出に関するお話でした。

次回へ続きます。