電子申告(e-Tax)

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電子申告が開始されてからもう久しく、導入する事務所・企業も年々増えています。
当事務所ももちろん、開業当初から電子申告を導入しており、電子申告が可能なものは全て電子申告しております。

1.電子申告(e-Tax)とは

電子申告とは、国税庁が運営する、税務に係る申告申請等のオンラインサービスです。
e-Taxがその通称となります。
2004年2月にスタートし、順次、地域や手続きを拡大、順調に普及が進んできました。
先月発表されたH28年の利用状況では、法人税申告の79%以上が利用されています。
http://www.e-tax.nta.go.jp/topics/2908pressrelease.pdf

2.電子申告(e-Tax)事前の必要作業

・電子証明書を取得
書面における押印・署名の代わりとなるものです。
電子証明書は、市区町村が交付する公的個人認証サービス(マイナンバー)や、法務省の商業登記認証局など、様々な機関から取得できます。
ちなみに私たち税理士は、日本税理士連合会が発行する第四世代税理士用電子証明書を使用しています。
電子証明書の取得

・ICカードリーダーライター
電子情報を読み取るための機器です。電子証明書を利用する際に必要になります。
接触型、非接触型、共用型の3タイプあります。
家電量販店等で3,000円程度で購入することができます。

・開始届出書
電子申告(e-Tax)を開始する前に、開始届出書を所轄税務署に提出する必要があります。
書面でも可能ですが、e-Tax経由での送信が一般的です。
開始届を出すと利用者識別番号が発行されます。
その後ずっと必要となる番号ですので、大切に保管してください。

3.電子申告(e-Tax)でできる申告・申請

申告できる税目(国税)は、所得税及び復興特別所得税、法人税、消費税、贈与税、酒税、印紙税です。申請・届出は、青色申告の承認申請、納税地の異動届、法定調書の提出、等々、多岐にわたります。

相続税、死亡した者の準確定申告等、今現在では電子申告ではできないものもあります。
相続税に関しては、提出書類が多岐にわたること、連名で提出する形式であること等が理由でしょう。

4.利用できるソフト

私たち税理士は、業者や市販の税務会計ソフトを使いますが、個人で利用される際は、国税庁ホームページの「確定申告作成コーナー」や「e-Taxソフト」といったものを利用するケースが一般的かと思います。
e-Taxホームページ

5.電子申告のメリット・デメリット

電子申告(e-Tax)のメリットは、まず申告実務の効率化・簡略化です。
押印・印刷・郵送、等の煩雑な手続きも軽減・簡略化できます。
事務所内・自宅内で申告書の作成および送信ができ、税務署に出向く必要も基本的にはなくなります。
また、電子申告(e-Tax)を行うことで電子納税が可能になるのもメリットです。
電子納税により、金融機関に出向くことなく納税ができます。

ほかにも
・医療費領収書等の添付書類が省略できる
・還付金を早く受け取れる
・確定申告期間中は24時間利用が可能
・納税証明書の交付請求手数料が安価

といったことがあげられますでしょうか。

デメリットとしては
・適したインターネット環境が必要
・セキュリティー上の注意が必要
・電子署名や電子証明書が必要

等があります。

6.電子申告の際に添付を省略できる書類

主なものは以下になります。

・医療費領収書
・寄付金領収書
・源泉徴収票
・保険料控除証明書(社会保険料・生命保険料・地震保険料)
・寄付金の控除証明書
・住宅ローン控除の借入金年末残高証明書
・上場株式配当等の支払通知書

ただし、申告期限から5年間(平成23年12月1日以前の申告期限のものは3年間)、ものによっては7年間は税務署から提出を求められることがありますので、添付を省略した領収書等も捨てずに必ず保管しましょう。

7.電子申告 義務化へ?

財務省と国税庁は、法人税と消費税の申告は、早ければ2019年度から電子申告を義務化する方針を打ち出しました。
税制改正大綱に盛り込まれれば基本1年以内に施行されることになるため、2018年度の大綱に盛り込まれれば、早ければ2019年度には電子申告の義務化が始まることになります。
大企業などまだ電子申告の普及が遅れているところもあることから、決済ルールの変更や社内規定の再構築等、義務化へ向けての取り組みや対策も望まれるところです。